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日々のあしあと。

WJ(REBORN)中心に感想、日々のつぶやきなど。 感想は基本的にネタバレ全開ですのでご注意ください。

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はぴば!ぱいなぽ!

最近あまりにも小説更新してないし、本日骸さんの生誕記念日ということで、骸さん話です。
ほんとは連作にしたくてずっとストックしてた話です。(書いたの2008年12月なんだぜ!/爆)
手直しも見直しもしてないからものすごい羞恥プレイなんじゃねこれ?とおもいつつ、むくたんがわりにさらしときます。

**********

シリアス。ちょっと暗い系。あとむく→つな。
一応三人称。でも骸単体。独白っぽい?
停滞中のお題と同設定(というか我が家の共通マイ設定)で捏造設定。

そんなかんじでも大丈夫でしたらどうぞ↓
沢田綱吉の中学卒業とともに沢田綱吉及びその守護者はイタリアへ移住する。
水牢に眠る少年のもとに運命共同体である隻眼の少女からそんな報告がもたらされたのは、極東の島国において実りの季節が始まりだした頃だった。
沢田綱吉と少年…六道骸の出会いから丁度一年程が経過していた。

(ほう、そうですか。少々早いような…いや、寧ろ妥当なところですかねぇ)

向こう行ってすぐさまマフィアとしてどうこうという訳ではなく守護者としてファミリーへの顔見せとイタリアでの生活に慣れるためという話だが、実際のところは単に十代目ボンゴレファミリーを…ボンゴレⅩ世を、なるべく早期に本国に据え置きたいのだろう。
当代ボンゴレボスはかなりの高齢である。いつ何時、何があるとも限らない。
いくらボンゴレ程巨大な勢力を誇る組織であろうと――否、巨大な組織だからこそ――頭を失えば、どのような形にしろ待っているのは終焉だ。
それを恐れるからこそ彼等は常に後継者の確保を怠らない。
しかし、はじめこそ五人も居た後継者候補は、今や残ったのは沢田少年ただ一人。既に候補などとは名ばかりに、次代を継ぐ者は彼しかいない。
元々、三人の後継者候補達が相次いで亡くなり、赤子のなりをした家庭教師が日本の子供のもとに姿を現したその日から、既に外堀は埋められていった。(そもそも骸自身、その埋められていく外堀――当時の業界関係者の間で緩やかにそれでいて確実に広まっていった『ボンゴレの次期候補』の噂をもとに日本にやってきた。)
アルコバレーノが家庭教師を依頼された時点で、彼がボンゴレの十代目を継ぐことはイタリアンマフィアの社会では半分決定事項だったのだ。…そしてそれはXANXUSとの一件を経たことで確定事項に変わった。
ボンゴレリング争奪戦は、あの子供の有する血の正統性と実力の申し分のなさを周囲に認めさせるかっこうの材料だったのだ。
そんな小さなボス候補の話に、それまで陰で傍流の田舎者と蔑んでいた者達はとたんに手のひらを反して『初代の再来』と讃え担ぎ上げだした。
義務教育の終了を良い理由にして、今や唯一の後継者を決して逃すまいと考えて少年をイタリアの地へ呼び寄せ手元に置いておく心積もりでいるのだろう。
本人の意志など当然のように聞き入れられるはずもない。すべては『ファミリーの為に』。(それがマフィアという世界。)

――――あぁ、なんて愚かしい。

組織の為に子供の意志を押し潰すその行為は、一体、過去幼い自分達に大人達がしたことと何が違うというのか。
非道性?掲げる大義?…――そんなもの些細な差、結局は判する者が都合良く付ける勝手な善悪の審判に過ぎない。
寧ろそうやってお綺麗な大義名分を掲げて自分達を正当化する彼等こそが骸にとっては唾棄すべき偽善者だった。
どのように言ったところで何も変わりはしないくせに。その手は皆同じように血と硝煙…死の香りが染み付き、果てなき力を求めて伸ばされるくせに。…そのためなら、弱き者の気持ちなどなんとも思っていないくせに。

(沢田綱吉…所詮、君だってこの世界の業の贄だ。)

骸は己の憎悪の向かう先でもあるこの世界の醜さに侮蔑も顕に口を歪ませ、彼の子供を憐れんだ。
けれどその憐れみは世界へ対する黒々とした思いの澱に呑みこまれ共に沈みやがて変質する。

アァ、コノ世界ハナンテ醜インダロウ。醜イ、ミニクイミニクイニクイニクイニクイ憎イ…!ネェ、ボクラハコンナニ苦シイノニ、苦クルシンダノニ、キミハ、愛サレテルノ?笑ッテルノ?…シアワセ、ナンデスカ?
ソンナコト許サナイ――オマエモ、 オ ナ ジ ト コ ロ マ デ 堕 チ テ コ イ 。


(そうだ…君もこの世界の業に、闇に、這い上がれなくなるまで堕ちて苦しみもがいて、やがて朽ちて逝けばいい)

クックッと闇(くら)い心地で嗤(わら)う。
視界が――頭の中が、真っ赤に埋め尽くされる。赤、緋、紅、アカ。呪いの右の色。血の色。…狂気の色。

(クッ、クフ、クフフフ…クハハハハハハハハハハハハハハハハハッ、ははははあははははははは…ッ!!)

笑う、嗤う、ワラう。
誰も居ない世界――当然だ、此処は少年の心の深淵。幾千の記憶の残骸が澱む狂気の苗床――でたった独り、少年は一面のアカの中での狂った哄笑を響かせる。





ぽたり、





(はははは…は、?)

赤色の憎しみに染まる少年の心に、しかし唐突に『何か』が落ちて染みをつくった。
たったひとかけら、小さな小さな『それ』はしかし赤暗い中にあっては一点の光のような白さで際立っていた。気になる。しかし、見ぬふりをしろとどこかで警鐘が鳴る。
けれども、気付いてしまった『それ』からはどうしても意識を逸らすことができなくて。



――――…嫌だ、



微かな声が届く。

――――駄目だ…彼を、彼までこんな風にしてはいけない…したくない!

そんなことは嫌だと、叫ぶ感情はまるで小さな『それ』から溢れてくるようだった。

(…なんだ、これは、)



(…これは…これが……僕の心だと…?、)



伝わってくるその想いに引き寄せられそうになりながらも、まさかと否定する。しかし、それは確かに己の心の叫びだった。これまで無意識に隅に追いやって蓋をして、見ないように気付かないようにしていた、…認めようとしなかった己の本当の想いだった。
ずっと目を逸らしてきたまま小さくも消えることなく在った想いは、ひとりで勝手に収まりきらない程まで育って、存在を主張したのだ。

左頬を伝う一筋が、赤色の一面に染み込んで消えない一滴の白が、冷たい世界の中で熱を持っているようだった。(…彼の炎が、移った、みたいに)

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